001:クレヨン

ぐるぐると描きなぐって
幾つも幾つも描いて
何を描いているのか分からない絵もあるけれど
これが自分の歩いてきた路

もう使わなくなってしまった、ボロボロの箱
蓋を開ければ懐かしいにおいが広がる

大好きだった
たとえ手が使っている色に染まるほど、汚れてしまっても

それなのに
棚の奥に眠らせてから、どのくらい経ったのだろう
あの頃の自分は、無邪気な自分はどこへ行ってしまったのだろう

もう昔には戻れない
だから、これからの路を捜そう
今では手にすっぽりと入る、このクレヨンで